基礎知識
ブルーカーボンとは
海や沿岸の生態系に取り込まれ、蓄えられる炭素をブルーカーボンと呼びます。植物が吸収した炭素の一部は、植物体だけでなく土壌や堆積物にも蓄積します。
ここでは、保全・再生や炭素量の算定で扱われる沿岸の生態系を中心に説明します。
NOAA — What is blue carbon? ↗
主な対象となる生態系
IPCCの湿地ガイドラインは、沿岸湿地としてマングローブ、潮汐湿地、海草藻場を扱っています。
- マングローブ
- 熱帯・亜熱帯の沿岸に広がる森林。
- 塩性湿地
- 潮の満ち引きの影響を受ける、草本植物の生育する湿地。
- 海草藻場
- アマモなど、海中で育つ種子植物の群落。
海草と海藻は、同じではありません
海草はアマモなどの種子植物、海藻はコンブやワカメなどの藻類です。海藻も炭素を取り込みますが、その量をそのまま長期的な炭素貯留量とはみなせません。炭素がどこへ運ばれ、どれだけの期間残るかを区別して考える必要があります。
IPCC — Ocean and coastal ecosystems ↗取り組みを読むときの確認点
以下は、当サイトが資料や事例を比較するときに使う確認項目です。個別の認証制度の要件を網羅するものではありません。
- 測定の範囲
- 植物体だけか、土壌や堆積物も含むか。対象面積、測定期間、不確実性を確認します。
- 追加性と継続性
- 取り組みがなかった場合と比べた効果か。炭素の再放出リスクと長期の管理方法を確認します。
- 地域と生態系への影響
- 地域の合意、利益の分配、生物多様性への影響も確認します。炭素量だけで活動全体を評価しません。
ブルーエコノミーとの関係
ブルーエコノミーは、海の環境と人々の暮らしを両立させる経済活動の考え方です。ブルーカーボンはその中で、沿岸生態系の保全や気候対策に関わるテーマです。
基礎知識 →日本での制度と取り組み
海藻藻場と干潟も対象に
環境省・国土交通省の解説では、海草に加えてコンブやワカメなどの海藻、干潟・湿地、マングローブも扱っています。国際的なガイドラインと国内制度では対象や算定方法が異なるため、適用する資料を確認しましょう。
環境省の生態系解説 ↗Jブルークレジットとは
JBEが管理する、沿岸生態系によるCO₂の吸収・貯留を評価する制度です。実施済みの活動を対象に、第三者委員会の審議を経て認証・発行します。
申請の手引き、認証記録、購入・保有に関する情報は制度の公式ページで確認できます。
JBEの制度・申請・認証情報 ↗地域で保全・再生に取り組むには
環境省の里海づくりの手引きは、藻場・干潟の調査と評価に加え、活動を続けるための人手や資金、評価結果の活用も扱います。
里海づくりの評価の手引き ↗よくある疑問
藻場を増やせば、必ずクレジットになりますか?
保全・再生の活動とクレジットの認証は別の段階です。制度に沿った算定や申請、審議が必要です。対象や手続きはJBEの最新資料で確認してください。
参考資料 ↗炭素量以外には何を調べますか?
生物の生息環境、水質、地域の利用、活動を続ける体制なども確認します。里海づくりの手引きで、目的に合った評価方法を探せます。
参考資料 ↗よくある質問
ブルーエコノミーとは何ですか?
世界銀行は、海洋生態系の健全性を保ちながら、経済成長、暮らしの向上、雇用創出のために海洋資源を持続的に利用する考え方として示しています。
ブルーカーボンとは何ですか?
海洋・沿岸の生態系が取り込み、蓄える炭素を指します。沿岸湿地では、植物体だけでなく土壌や堆積物も重要な貯留場所になります。
海藻のブルーカーボンはなぜ研究途上なのですか?
海藻は炭素を取り込みますが、吸収量だけでは長期貯留量を判断できません。炭素の移動先と、どれだけの期間残るかを確認する必要があります。
Jブルークレジット®とは何ですか?
ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が管理する、沿岸・海洋におけるCO₂の吸収・貯留を対象とした独自のカーボン・クレジット制度です。制度の要件や最新の認証情報はJBEの公式ページで確認してください。
JBE「Jブルークレジット®認証・発行」を確認する日本の取り組みはどこで探せますか?
このサイトの取り組み事例では、日本を地域条件にして事例を絞り込めます。制度・認証の最新情報は各実施主体の公式資料も併せて確認してください。
参考資料と関連する取り組み
記事更新:2026年9月26日
資料の要約と編集上の確認項目を掲載しています。専門家による監修・査読を示すものではありません。